スピリチュアル・エマージェンシー（魂の闇夜）について

覚醒のプロセスにおいて私たちが経験する魂の闇夜（スピリチュアル・エマージェンシー）

霊的な覚醒プロセスにおいて、つまり、精神的・霊的な成長へと向かう過程において、ある種の精神的な混乱を経験したり、それまでに築いてきた社会的な地位や仕事環境、財産の他、パートナーなど人間関係の多くを失って絶望したり、人生のどん底にいるかのような状態を経験したりすることがあります。

心理的にも、身体的にも、恐れやネガティブな思考に追いやられて生活レベルに支障きたすような状態を経験することがあるということです。

それを「魂の闇夜（スピリチュアル・エマージェンシー）」と呼びます。

私たちの最も不穏で不快な心理的問題が予想外の強度で表面に湧き上がるようになり、いわゆる、分離感、無価値感、絶望感、恐れといった根本的な苦しみを直接経験し始めるのです。

それらをすばやく通過するものもあれば、ゆっくりと通過するものもあります。

ほとんど気付かない人もいれば、非常に困難を伴って経験する人もいます。

魂の暗夜が始まると、内面の感覚をもはや無視することはできなくなります。

なぜなら、内側にある信念はすべて明らかにされ、調査され、疑問視されなければならないからです。

要は、意識の方向性が強烈に内側に向かう動きが始まるということです。

それは私たちの人生の方向性を劇的に変えるものであるといえます。

私たちが知っておかなければならないのは、私たちの学び（修行）が深まり、私たちの経験が深まるとき、それは珍しいことではないということです。

長くスピリチュアル探究の道を歩んできた人なら誰でも、何らかの形で必ず経験しているといえるでしょう。

それは、これまで慣れ親しんできた（自我の）思考体系よりもさらにより深い何かへの、私たちの存在のより静かな次元への移行のはじまりだと言うことができるでしょう。

突然物事が混とんとしているように見えたりもします。

そんなときは、プロセスを信頼することが助けになります。

とにかく、信頼することです。

地に足を付けて歩むスピリチュアルな実践生活の中では、単に超越することのできない多くのことを経験しなければならないのだといえましょう。

プロセスを信頼してください。

何かが間違っていると思わないでください。

それは後退したように感じるかもしれません。

というのも、そのときの心は以前のように穏やかではいられないからです。

しかし、あなたは後退してはいません。

実際には、一歩前進したのです。

あなたが足を踏み入れた場所が、より混沌としているように感じるかもしれません。

でも、それは必要なステップだと信頼してください。

そのようにしてできるだけ心を開いていくことです。

自分に起こっていることを信頼してください。

たとえ混沌としていて、居心地が悪くても練習を続けてください。

そのまま起こるがままにゆだねていってください。

自分で何とかしようとせずに、導かれていくことを覚えていくのです。

実際は、そのときこそが大いなる霊的成長、霊的進化を遂げているのだということを信頼していてください。